!

デザインのボヤキ 003回 「何案作るの?」

001回   << 002回   004回 >>まだ

■何案つくるの??

さて、デザインベースの固め方はわかった。
次は、制作物数の指定有無が重要となる。

制作物数の指定がある場合 … 例えば、2案、3案作ってくれというもの。
制作物数の指定が特にない場合 … 基本的に1本決め打ちとなる。既にラフが存在していたりする場合がこのパターンだ。

これらは非常に、非常にふんわりと 「○○案くらい見てみたい」 などと要件がきたりする。

ここで、
予算があれば、数案作ることを 受けてもいい。

ないなら、
受ける義務は無い。

慈善事業ではないからだ。
また、すでにラフがある場合、「○○案つくりましょうか・・・」などという話を出す必要は無い。
レイアウト案しかりだ。見せたり話を振ったりれば、「じゃあ全部見せて!作って!」と笑顔で言ってくるだろう。

作るには時間がかかる。
戴ける金額が変わらないなら、
制作総数を増やして自らの首を絞めてはいけない。
時間をかければかけるほど、利益は減る。しわ寄せは、必ず自分にやってくる。
比喩でなく、死ぬ。
よかれと思ってやていると、あなたは、いつか必ず死ぬ。

時間は、あなたの人生だ。
お金は、生きるために必要だ。
戴けるお金が増えないのに、時間を捧げると、死にます。
あなたは忘れているかもしれないけれど、人は忙しさで確実に死にます。

指示がない限りは、
もらえる金額もないのに作業量をいたずらに増やす方向へ進んではならない。
鉄則である。

話が逸れたが、予算や納期に余裕があると、数案作ってくれ、という話が来たりする。
営業指針によっては「予算少ないけど次に繋げるためにもちょっとがんばろう」なんて組織として自発的に数案つくることを決めたりもする。
たいてい、3案か、2案だ。

ここで気をつけなくてはならないのが、
3つの案をくれ は
「大きくレイアウトと細部のデザインが異なる」3つの案をくれ
ということだ。

つまり
デザインベースを3つくれ
ということだ。

よくやってしまう勘違いは、
1つのデザインベースを決め打ちでつくり、派生案3つを出して「3案です」としてしまうパターン。
「確かにそれぞれデザインは異なってるんだが、大きく要素を括って俯瞰してみると、同じ構成とレイアウトだよね」というやつだ。

これ以上大別できない、といったところまでデザイン内の構成要素を括って俯瞰し、
それらのレイアウトが異なっていれば、それはデザインベースが異なるということだ。
微妙な差異しかなく、ほぼ同じレイアウトならば、それはデザインベースが同じということだ。

こう考えれば、以外とデザインベース3案というのを出すのも、ハードルが下がりそうだ。

「3案って言ったけど、これ、くれたの、1案だよね」
といわれる失敗がおきる理由は、こうした点で制作物を捉えているかどうかによる。

さて、派生案をつくる場合、テンプレ手法がある。自己流だが。
まず、デザインベースに沿って1案形にする。
次に2案目は、1案目と同じ要素数を保ちつつ、細部の文字詰めや書体、配色、サイズや重なり、バランスなどといったデザインの細部調整をする。
次に3案目。要素数を1つか2つ、削る。(足すのは御法度。less is moreだ。)
代わりに、残った要素のうちいずれかを、デザインベースを逸脱しない範囲で強調したり、削った要素の役割を担わせる。

最近は視線の動線や、見えない線、要素の役割に応じたカラー分離、グリッド、要素間のジャンプ率などを改めて意識している。
ポイントは、「デザイン間」「各要素間」で「すべて異なるデザインを施すこと」だ。
たとえば、A案の本文と B案の本文と C案の本文が書体・ファミリー・サイズ・カラー共に異なる といった具合だ。
ここでの狙いは、案を見せたときに「クライアントが選べる選択肢をいかに増やせるか」という点である。
この案のココがいい、この見出し部分だとさっきの案のほうがいい と言った感じだ。
もちろん、制作物の利用シーンや内容によっては、各案で共通してくるテイストが出てくることはあるが、それは仕方がない。

最後に注意点として、いくつかのデザインベースや派生案を考える際に共通することなのだが、
複数案出すときは、案数にこだわり過ぎてはいけないということだ。
無理やり数を埋めるために出したデザインベース案は、案件の要望やシーンにマッチしないデザインになることが多い。
「適切な」デザインをつくることこそが、目的である。
「この仕事に合うデザインか?」を案を思いついたときに判断しなくてはならない。
時にはその判断で案を捨てることを含めて、制作担当者の腕の見せ所になるのである。

ちなみにラフがある状態から制作した決め打ちデザインベースの制作だと、
派生案を最初からいくつもいくつも作るよりは、
1案をどんどんクライアントや社内の決定権ある人に見せていって細部を詰めていく方が時間の節約になることが多い。
時間節約のためにも、覚えておこう。

001回   << 002回   004回 >>まだ

投稿者:

sejiijes

SEとWEBとデザインと事務処理に戯れる田舎会社員。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。